美術品の減価償却通達の改正が実現

    従来の減価償却通達(法人税基本通達7-1-1)では、美術品(通達では「書画骨とう」という用語を使っていました)は時の経過により価値が減少しない(むしろ作家の死後価値が上がる)という認識が根底にあり、美術品の減価償却は原則認められていませんでした。美術年鑑に掲載されている作家の作品は美術品であり、減価償却出来ませんでした。美術品かどうか明らかでないものに限り、1点20万円(絵画では号2万円)未満で減価償却が認められていました。
    合理性がなく、しかも業界の実情と大きく掛け離れたこの通達について、全美連では、以前より関係各方面に見直しを強く働きかけておりましたが、ようやくその努力が実を結び、この度、改正が実現いたしました。

    詳細は、国税庁のホームページに掲載された改正に関する資料や、全美連が国税庁に提出した意見書をご参照頂きたいのですが、改正の骨子は以下の通りです。

    • ①「書画骨とう」は「美術品等」に改められ、又「美術年鑑等に登載されている作者・・・」の条文は削除される等、美術品の捉え方や認識が実態に即したものとなりました。
    • ②減価償却資産に該当するかどうかの判定基準である取得価額が、1点20万円未満から100万円未満に大幅に引上げられました。併せて、絵画の号当たりの金額基準は廃止されました。
    • ③100万円以上の美術品についても、時の経過により価値が減少することが明らかなものは減価償却が認められることとなりました。

    これらの改正により、法人の美術品購入が一段と促進され、ひいては作家の育成につながる等、業界の利益のみならず、我が国の文化芸術振興にも大きく貢献するものと期待しております。
    全美連では、今後も引続き、業界を取り巻く関係諸法令の研究や検討を行って参ります。